理系学生にむけて 研究と実験結果の考え方

理系学生に向けて 研究と実験結果の考え方 実験はうまくいかないもの

こんにちは。BOSSです。

理系学生のみなさん

研究室に配属されて研究をされている方なら分かるかと思いますが

まぁ実験なんて思った通りの結果
出ないですよね?

では思った通りの結果が出ないと失敗でしょうか?

これから研究活動を始める理系学生にむけて

研究を進めていく上での考え方を記していきたいと思います。

授業の実験と研究の実験

実験といっても学部の授業でやるそれと

研究で行う実験は全く別物と考えましょう。

授業で行う実験って基本的に失敗する要素がないんですよね。

基本的には理論通り、うまくいくやつしかやりません。

なぜならば理論通りかどうかを確認するために実験を行うのが目的ですから。

今までの蓄積で概ね一意の結果が得られることがわかっていて実験をします。

ところが
研究で行う実験って結果がどうなるか知らないんですよ。

だってそれ知ってたら研究する必要がないわけじゃないですか?

よく研究に必要な要素と言われるのが

  • 新規性

  • 有用性

  • 信頼性

の三点。とくに重要なのが新規性です。

新規性があるということは誰もやっていないということです。当たり前ですが誰もやっていないことに蓄積はありません。

したがって結果なんてやってみないと分からないものなんです。

そういった意味で
学部の授業で行う実験と研究での実験は全然違う

ということが分かるかと思います。

実験結果の予想は立てる

たしかに結果がどうなるか誰も知りません。

知らないんだけど、じゃあやってみるかでは研究にはならない。

なので理論と過去の先行研究の結果から
あたらしく行う実験結果の予想を立てる。

実例を出しましょう。

私の研究の一部ですが

3点曲げENF試験片

こういったき裂の入った試験片を3点で曲げる、3点曲げENF試験という試験をよく行なっています。

この試験の理論は静的はり理論という理論をつかっており、静的はり理論においては

はりのたわみの微分方程式という関係から、き裂先端前後のひずみ場は線形関係にあることが知られています。

なので試験を行う前に、表面のひずみを計測したら

静的はり理論 き裂先端前後のひずみの関係

だいたいこういったグラフが得られるんだろうなーという予想をしておきます。

また、予想を立てにくい場合は有限要素解析を事前に行なっておく

なんて方法もありますね。

わたしの場合は学部の4年のときに卒業研究で一年かけて有限要素解析で予想を立てられる程度に材料を集めていました。

実験は予想通りにはいかない

そうした予想を元に実験をしてみるのですが

まぁうまくいきません。

うまく、というのは全部予想通りに結果がでることなんてほぼほぼないんですよね。

やはり理論と現物は違います。

〇〇理論を用いるっていうのは往々にしてなにか近似を含んでいることが多く

上記にあげました3点曲げENF試験も試験片は厳密にははりとは違います。

しかし、はりと近似することで静的はり理論を用いることができてます。

したがって理論解と実験解は乖離があって当然といえます。

上記のわたしの研究の結果を示しますとこんな感じです。

[f:id:wataru_boss:20180730122947p:plain:3点曲げENF試験実験結果]

理論的には線形なグラフになるはずでした。

予想したグラフと実験データを並べてみるとこんな感じです。

3点曲げENF試験 静的はり理論と実験結果の比較

どうみても若干の非線形挙動が示されており、予想通りの結果が得られていません。

予想とのずれを考える

しかし、立てた予想とずれたから失敗だとするのはいけません。

むしろそこから分かることがたくさんあるはずなのです。

これが考察という作業。

何が原因で理論とずれていそうなのか考え、仮説を立てます。

わたしの研究の例ですと

  • き裂先端はひずみ特異場となっているはず
    →き裂先端にすごく近いところでは非線形挙動がおきているのかも

といった仮説を考えます。

こうすることで次のステップが見えてきますよね?

わたしの事例ではき裂先端に近すぎるとダメそうなら少しだけ離して同じ実験をしてみる。

そうすることで立てた仮説が正しそうなのかそうでないのか

切り分けることができます。

これが理系の研究の進め方になります。


まぁ、わたしのやつ
やってみたら同じ結果が出たので仮説は間違っていたのですがね

まとめ

研究のなかの実験なんて思った通りにいかないのが普通です。

むしろ思った通りの結果が出たら

よくマンガやドラマでは天才マッドサイエンティストって

「私の理論に間違いはない!!」

みたいに描かれることが多いですが、普通は

「え?思った通り・・・?これあってる?」

くらいに思うのが良いですね。

思った通りの結果が出ないからこそ考察が出来ますし、そこから次のステップが考えられます。

結果から仮説を立てて検証

どうせその検証もうまくいかないんで、また仮説を立てて

って具合に研究は進めていきましょう。