エンジニアのためのAI入門

こんにちは。BOSSです。

先日読んだ
エンジニアのためのAI入門
という書籍。

AI初心者に是非とも読んでいただきたい。

読み終えた今、強くそう感じています。

今回は本書について読んだ感想とどう言った点がAI初心者にオススメできる本なのかということについて記していきます。

しっかり内容について書かせていただくので結構長いですが、是非読んでみてください。

全体的な本の構成

本書の対象ですが、入門とある通りAIというものをあまり詳しく知らない初学者対象の書籍となっております。

具体的には

  • プログラミング未経験の方

  • AIや機械学習、ディープラーニングをあまり知らない方

  • 実務の場でAIがどのように活用されているのかを知りたい方

こういう方を対象としている書籍になります。

内容としましては

第一部はAIの歴史から機械学習、ディープラーニングの基礎を学ぶことができます。まったくAIが分からないという方も、ここで学習できるためすっきり導入に入ることができます。

第二部では各章毎に第一線でAIを活用している方がそれぞれの活用法を執筆されており、具体的な事例とともにAIがどういった場で使われているのかが分かる本になります。

例えば本書の第二部第4章では株式会社スクエアエニックスさんが執筆されており

おなじみ「FAINAL FANTASY XV」を事例としてデジタルゲームで用いられている3種類のAIについての解説がなされています。

ゲームの中にも当たり前のようにAIが登場しているという事実

それも役割が違うAIのアンサンブルで「FAINAL FANTASY XV」が作られているとしれます。ゲームが好きな方、将来作りたい方必見です。

第三部では実際にAIを用いている方がどういう風に考えて動いているのか、コラムのような形で展開されています。

本書オススメの章

今回は本を読んでより強烈に機械学習やAI初学者にオススメしたい第二部の二つの章について書いていこうかと思います。

第7章「機械学習を用いた不正使用検出の基礎」

この章だけでもこの本を読んだ価値があった

私がそう感じるほどのこの章は機械学習の基礎が非常にわかりやすく整理されて書かれています。

内容としましては、機械学習を用いたクレジットカード不正使用をどのように防ぐのか

という具体的な事例を取り上げつつ、機械学習の基礎的な用語から機械学習モデルをどのように評価していくのか、評価したモデルの実用上の使い方

これらのことが初学者にとってわかりやすい内容です。

特に機械学習モデルの評価のキーワードである

  • 真陽性

  • 偽陽性

  • 真陰性

  • 偽陰性

そしてこれらの関係を示す適合率-再現率曲線ROC曲線といった内容が具体的事例をあげながら解説されているため

初学者にとって非常に理解しやすいというのが本章のポイントです。

今のキーワードでピンとこない方には是非読んでいただきたい。

キーワードは知っているんだけれどもという方に向けて、もう少し内容に触れておくと

適合率と再現率というのは理論的には最適値が存在しますが、実用的にはトレードオフの関係にあります。

適合率をあげたら再現率は下がるし、再現率を上げたら適合率が下がります。

この関係をデータサイエンティストと機械学習エンジニアがモデリングしていくことになるのですが

一方でビジネスに考えると、適合率-再現率曲線のどこに操業点を置くのかというまた別のベクトルからの課題があります。

ビジネス的に常にトレードオフの最適値を模索するのが常に利益に直結するのかというとそうではなく(開発にもコストがかかります)

場合によってはどちらかに偏っているほうが利益が出やすい場合もある。

というデータサイエンス的な見方と実務上でのビジネス的な見方

両方を初学者が学べる非常に良い章であると私は読んで感じました。

第8章「心臓MRI検査の診断支援、『医療×AI』への取り組み」

第7章では機械学習の基礎知識を学ぶことができましたが、第8章では実際に医療への適応に対する実質的な課題について書かれています。

医療現場へのAIの適応は他国では検討が重ねられており、実験的なことまで行われています。

AIは現状非常に膨大なラベル付き(正解がわかっている)データを教師として機械学習させるのが一般的ですが

医療現場に導入させるにはデータ不足が露呈しやすい環境であります。(具体的な理由については本書を是非読んでみてください。)

一方で日本社会に目を向けてみると、医療が誰でも受けられる社会であり(米国などは保険制度が日本とは異なります)実はデータの蓄積が豊富です。

また、高齢化社会であり現場の医師不足が叫ばれている現代社会においてAIが医師を補助するという社会は早急に取り組むべき課題であります。

以上の観点から日本は医療現場へのAI普及は急務であり

その課題にコミットする株式会社エクサインテリジェンスさんの「冠動脈抽出システム」と「検査値予測」という2つの事例が紹介されています。

技術的にどのようにそのシステムが開発されたのかは本書を読んでいただくとして、非常に印象的なのが医療現場へのAIの導入の障壁は何も技術的課題に止まらないということでした。

一番大きいのはセキュリティ問題。前述の通り日本には他国と比べてたくさんの医療データがあります。

しかし、個人情報であるため医療データは厳重な扱いが要求されておりなかなか大規模な開発に踏み込めていないという政治的な問題があります。

また、社会的にも
万が一AIが誤診を起こした時の責任問題等の法的な課題

AIに診断されるという不安感を覚える患者の心理的な課題

ブラックボックスな診断はしたくないという医師の心理的な課題

などなど、実際にAIを開発したいと考えるエンジニア志望の初学者としてはこういう問題まで考えないといけないのかとまさしく目から鱗という内容です。

技術的に可能である、あるいは実現できそうだという予測はあくまでもエンジニアの視点であり、それ以外にも社会的な障壁が立ちふさがる場合だっていくらでもあるわけです。

エンジニアとしてこういう視点を持つ必要もあると知れるというのが第8章を強烈にオススメする理由になります。

まとめ

以上本書の内容、オススメする章について書かせていただきましたが

紹介した内容以外にもFXにおける価格変動予測を行なうAI「巫」やオンライン接客「ietty」など非常に興味深い事例がたくさん含まれています。

一部やや難しい内容もあるので初学者が100%の理解までこぎつけるかは怪しい章もあったりしますが

AIというものが社会においてどういう風に活用されているのかという点を知れる良書です。

プログラミング技術が学べる!という書籍ではないですが、学びのゴール地点を見据えるためのヒントが盛りだくさんだと思います。

AIを勉強したい、機械学習をやってみたい

そういう方には是非とも手にとっていただきたい、オススメできる書籍だと私は思います。