将棋界とAIのはじまり

f:id:wataru_boss:20180527172404p:plain 機械学習はじめました。

というタイトルでブログを始めましたが、今日はAIに興味を持ったきっかけを書いていこうかなと思います。

背景

実は私は趣味で将棋をやっていまして、中学生の頃に始めてそろそろ10年以上続けています。

大学では将棋部に所属しており、院生の今は5年目ですが夏冬の団体戦で6度の全国優勝経験があります。

プロの将棋界も常日頃からある程度は追いかけており、ある程度は将棋に真摯に向き合ってきたという背景があります。

実は将棋界はこの5年で大きく状況が変わりました。将棋ソフトの台頭です。

プロ棋士絶対神話

2013年3月までのプロ、アマ将棋界の認識は至る所で文章となっていますが、改めて私の感じていたところを記しておきます。

それは、プロ棋士絶対神話です。

これは将棋をやっていない方にはなかなか伝わりにくいところかと思いますが、将棋の世界においてはプロ棋士というのは別次元の存在の人たちです。

サッカーで例えるならJリーガーではなく、バルセロナやレアル・マドリード。といえば分かりやすいでしょうか。

アニメ「りゅうおうのおしごと!」中にこのような表現がありました。

https://blog-imgs-118.fc2.com/m/h/a/mharayaruo/20180123215046d41.jpg

この大きなピラミッドの頂点である四段はプロ棋士の最低段位になります。

つまりこのピラミッドからさらに大きなピラミッドが形成されていると考えてください。

そしてプロ6級(正確には奨励会6級)というのはアマチュアでいえば五段相当にあたります。

アマ将棋界全体の分布で考えたらアマ五段というのは偏差値75~80に近いのではないでしょうか。

この図の最下層ですらそのレベルです。

その中でもプロになれるのは年間でわずかに4人。ほとんどの人間はプロになることを自ら諦めるか、諦めさせられる(年齢制限があるため)のです。

つまり、プロ棋士であるということはもう人類トップ中のトップなんです。

余談ですが、最近ではひふみんこと加藤一二三九段はいたるメディアで拝見することも多く、おもしろい人だなぁと思われて佐藤慎一 四段る方もおおいかと思いますが元名人でありプロ棋士という大きなピラミッドのまさに頂点に立った方です。

このような背景はプロアマ問わず将棋界では常識であり、プロ棋士の方々ももちろんその自負はあるでしょう。

ですので、
将棋ソフトがいくら強くなってもせいぜいプロ棋士といい勝負になれば良い方だ。
ましてや負けるなんて考えられない。

こういう風潮はあったかと思います。

「情報科学の世界において大きな勝利です」

2013年3月は将棋界において、大きな変化を迎えました。

第二回電王戦第二局
佐藤慎一 四段(当時) VS Ponanza

下馬評は先ほど述べた通り佐藤先生持ちでした。しかし、これは当然みているだけの人の感覚。

ソフトと対局するにあたっては相当研究をしてきた本人からすると、楽勝の感覚は皆無だったのではないでしょうか。

結果はPonanzaの勝ち。将棋界の歴史、あるいは将棋文化400年の歴史と勧化できるかと思いますが、人類がコンピューターに初めて敗れた瞬間でした。

見出しのコメントは終局後Ponanzaの開発者である山本一成さんの言葉です。

その直後の将棋界の矛先はまず佐藤先生に向けられました。

satosin667.blog77.fc2.com

これは佐藤先生のブログです。

当時、佐藤先生のブログコメントを読んで

むき出しになった人の敵意に対して、

その舞台に立つことすら許されず傍観するしかない程度の実力しかない人たちが発する言葉の一つ一つに怒りを覚えました。

しかし、そういう雰囲気だったのです。

負けるはずがない、負けた奴は負け犬

そういう空気感だったのです。

蓋を開けてみれば第二回電王戦は続く船江五段はツツカナに敗れ、塚田九段はボンクラーズに辛くも持将棋、三浦九段はGPS将棋に敗れました。

人間側から見て一勝一分三敗でした。

惨敗といって差し支えない結果です。

AIの凄まじさ

コンピューターの不可侵領域だと考えられていた将棋という分野。

ここにチャレンジしていった多くのエンジニアたち。

こういう人たちの成果として、今となってはソフトには勝てないよねという認識が根付いております。

しかし、当時はあまりに鮮烈でショッキングな出来事であり、AIの凄まじさを肌で感じました。

人には到底真似できない、そんな芸当をやってのけてしまうのです。

そんな凄まじさをまざまざと見せつけられた私にとって、AIに興味をもつということは至って自然な流れであったのです。